掃除嫌いな子どもを掃除好きにするには?〜ブックレビュー『変なクラスが世界を変える』沼田晶弘著

2019年10月1日孫育てコラム

子どもって掃除が嫌いではありませんか?
これを読んでいる方のお子さんは、掃除が好きでしょうか?嫌いでしょうか?
お子さんがどうやったら掃除を好きになるのか、ちょっと考えてみませんか?

とはいえ、今回のメインは掃除の話ではありません。
沼田先生のブックレビュー。ほんっとうに面白かったのでした!

掃除を楽しくできる方法を考えてみよう

それをその子が楽しくできる方法って、何かないか考えてみてください。

考えました?

今回ご紹介する沼田先生は、こうしました。

音楽を3曲かける間に掃除を終わらせること
そしてサビの間は掃除しちゃダメ!
全力でダンス!

確かに音楽がかかれば、楽しくできそうだし、時間もなんとなく測れる。
でもそれだけじゃ子どもは動かない。

先生は、サビになったら、掃除しちゃダメって言ったんです。
踊れって!

掃除中に踊っていいなんて、それだけで面白そうです。
さらに不思議なもので、ダメって言われると、人間、掃除やりたくなるんです(笑)
あまのじゃくですねえ。

それでサビになるとみんな掃除をピタッとやめて一斉に踊り出す。それも全力で!

そしたら、なんと、子どもたちが好きな時間第一位が掃除の時間になったそうです。

子供が自分で動く仕組み

この先生のすごいのは、ルール以外の指示は出していないってこと。
つまり、ほうき係や雑巾係など掃除の役割分担はしていないので、子どもたちがその場で考えて掃除をするんです。

ルールは、『3曲終わるまでに掃除を終わること』なので、「あ、今3曲目だから、やばい!時間がないぞ」と曲を聴きながらスピードアップします。

他の子どもたちの動きを見て、手が空いている子は自分の判断で放棄から雑巾に移ったり、机を動かすほうへと回ったり、曲が終わりに近づくと、「急げ!」「まだここ汚い!」と声が飛びかいます。

そして最後にみんなが着席して、なぜか三本締めして掃除が終わり。(ルールは、3曲終わるまでに全員着席していること)

おかげで掃除の時間は(ダンスの時間を抜いて)効率が良くなり、時間が短縮されたんですって。

自主性、生産性、柔軟性、協調性、判断力、そして楽しさ、いろんな言葉がこの掃除の時間に詰まっていることがお分かりになるでしょうか?

沼田先生の言うには、子どもは『制限』をされると考えるようになるんだそう。

沼田先生の教育理論とは?

本当にこんなアイデアよく考えつくなあと感心するのが、ぬまっちこと、沼田晶弘先生。

本当に、彼のやることは面白い。
そして、彼の教室に集まった子どもたちも生き生きとしているし、とても楽しそう。

読んでいると、ちょっとこれって疲れない?
というほどかなりハードなことをこなすパワフルな子どもたちだけど、でも自分たちで考えて自分たちで決めているから、やれちゃうんでしょうね。

このぬまっち、ただ突飛なことを考えてやっていわけではありません。

彼の教育理論は、実はちゃんとコーチングとチームビルディングに基づいています。『課題』『制限』『報酬』の三つを掲げ、それにそって教育をしているんです。

帝国ホテルでディナーする遠足

突飛なアイデアは先ほどの『ダンシング掃除』だけではありません。

特に群を抜いて私の興味を引いたのが、『帝国ホテルでディナーの遠足』です。

このタイトルだけでもすごいでしょ?
帝国ホテルでディナーですよ?それが遠足ですよ?

本当にやっちゃったんだから、小学生が!

いったいどう言うことなのかと簡単に説明すると、

一年の最後に何か記念になるようなことをやりたいと、子どもたちに声をかけたのがぬまっち。
子どもたちが考えたのが、「帝国ホテルでランチ」(あとでディナーに変更)(あと、これが『課題』)


お金が必要だけど、働いてはいけない。(『制限』ですね)
ではどうするか?
コンテストやコンクールなどで稼ぐことにします。

正しくは、はじめにテレビの『珍百景』に応募したら?という話になって、これなら取り上げられると3万円がもらえるということに。
あの『ダンシング掃除』なら、珍百景になるんじゃない?そしてどうやって見せたらテレビ受けするか?なども子どもたちで考えて応募。

そうしたら……本当に取り上げられたんです!

そこからみんないろんなプロジェクトを立ち上げて、結果、202ものコンクールに応募、そのうち16人受賞(卒業後さらに4人増えたそう)

予定より獲得した金額が増えたので、ランチをディナーに変更。
そしてトドメが、 「帝国ホテルでディナー」に、「リムジンで小学校に凱旋」というおまけ付き!

「帝国ホテルでディナー」で食べられることが直接的な『報酬』なんでしょうけど、途中ここまでくる過程で成し遂げたプロジェクト自体が、子どもたちにとって報酬になってたようです。

子どもたち、もういいよっていうのに、最後までプロジェクトを追加してはやっていたんですから。

子どもへの関わり方次第で、こんなに自分たちで課題を設定して動けるようになるんですね。

大人も帝国ホテルでディナーなんて、やればできるんでしょうけど、実際にはなかなか、ね。
でも小学生が自分たちの力だけでやってのけた!
ちゃんと自分たちで稼いで!本当にすごいことです。

『変なクラスが世界を変える』

今回ご紹介する本は、その「帝国ホテルでディナー遠足」を中心に、その「世界一のクラス」(毎年ぬまっちが受け持つクラスは世界一と呼ぶ)の一年を追いかけます。

本当に最後はこちらまで感動して涙が出るほど。
心から、ワクワクするし、応援したくなるし、子どもたちとぬまっち先生の絆を感じる一冊です。

これはおすすめ!

『変なクラスが世界を変える』

おまけ

最後の最後に読み終わって、本を閉じると、ああ、『変』ってこういうこと!と納得しますよ♪

ぬまっちとは?

沼田晶弘(ぬまたあきひろ)

コーチングやチームビルディングをアメリカで学び、その斬新でユニークなやり方で子どもたちが自分で考えて動き出す、独自のメソッドが注目を浴びている先生です。

1975年東京生まれ。

国立大学法人東京学芸大学附属世田谷小学校教諭。
学校図書生活科教科書著者。
ハハトコのグリーンパワー教室講師。

東京学芸大学教育学部卒業後、インディアナ州立ボールステイト大学大学院で学び、アメリカ・インディアナ州マンシー市名誉市民賞を受賞。
スポーツ経営学の修士を修了後、同大学職員などを経て、2006年から東京学芸大学附属世田谷小学校へ。
児童の自主性・自立性を引き出す斬新でユニークな授業が読売新聞「教育ルネッサンス」に取り上げられて話題に。

教育関係のイベント企画を多数実施するほか、企業向けに「信頼関係構築プログラム」などの講演も精力的に行っている。

ぬまっちの歴史を知りたくなったらこちらの記事をどうぞ。

子どもが伸びる声かけって?

ぬまっちのことがもっと気になり、一体どうして彼はこんなアクティブラーニングを始めたんだろう?と知りたくなったらこちらの本がおすすめです。彼の歴史を垣間見れる一冊。